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「スタートアップ×常勤監査役職」転職マーケット事情(2024/11 ver.)



昨今のスタートアップにおける常勤監査役採用のトレンド

2022年頃に一時市場の様子見から求人数が減じた状況から比較をすると、転じて採用は再開、求人数(上場準備企業数)も増加している傾向です。

以下はタイムリーな現状が把握できる資料です。


常勤監査役の報酬傾向

ざっくりのレンジではありますが、以下のような年収レンジでの提示やオファーとなります。尚、未上場スタートアップのものです。

・監査役未経験者:600~800万円
・監査役経験者:800~1,000万円

また、こちらが弊社の支援実績(一部抜粋)です。

監査役経験有無や企業によって違いは出てくるものの、確実に過去よりUP傾向にあります。

よくご質問をいただく内容である、SO(ストックオプション)の有無に関しては、各企業や主幹事証券等によって考え方が変わってくるので要確認です。

求められるスキル・経験(監査役経験者の募集)

では、経験者への求められているスキル・経験はどのようななものがあるのでしょうか?弊社でお預かりしている求人票を参考に、各社の募集要項をまとめてみました。

必須要件に関して

やはり上場会社での内部監査職や監査役経験は必須であり、監査役として経営層とのコミュニケーションに長けていらっしゃるバランス感が求められます。また事業内容が特殊のケースは、それに近しい経験を求められます。

#A社
・事業会社の事業部門及び管理部門での業務経験それぞれ5年以上
・取締役または常勤監査役としての執務経験1社以上
・組織間で利害が一致しない事項について、合意できる着地点を自らが主導して見出した経験をお持ちの方

#B社
・上場準備企業、又は上場企業における常勤監査役経験
・IPO準備を推進した経験
・グローバル経験
・売上高〇〇〇億円以下、人員数〇〇〇名規模の組織に深く関わった経験

#C社
・上場企業または上場子会社における常勤監査役または内部監査など、監査実務のご経験
・〇〇業界に携わっていたお方
・社内外のステークホルダーと円滑にコミュニケーションができるコミュニケーション能力をお持ちの方(特に経営層向け)

歓迎要件に関して

こちらになってくると各社の課題感によって特殊な内容も出てきます。
とはいえ、近しい領域に居ていただくと安心感があるようです。

#A社
・ミドル・レイターステージのスタートアップ企業で常勤監査役の業務経験
・IPOプロセスの経験があれば尚可
・システム周りの知見、専門性をお持ちの方

#B社
・法務・労務領域における専門性

#C社
・公認会計士、税理士などの資格をお持ちの方
・IT業界・スタートアップ経験がある方
・コーポレート全般の業務経験がある方

求める人物像に関して

経験豊富な方となってくるとそれなりに自身の仕事のスタイルが固まっていらっしゃるケースも少なくないため、同要件に関する相談もあります。
記載の通り、バランス感覚と役割を理解したスタンスが大事です。

【求める人物像】
#A社
・事業成長を維持・向上させるのと同時に、どうすればガバナンス向上も図れるか、という観点で考えられる方
・会社と社員、どちらとも適切な距離を取り業務を進められる方
・事業とカルチャーに共感いただける方
・善良且つ謙虚な方

#B社
・当社ミッションに共感し、上場までの道筋及び上場以降の企業価値最大化に邁進していただける方
・経営陣に対して忌憚ない意見をストレートに言っていただける方

#C社
・常にフラットな姿勢を持ちつつ、時に流されることなく組織への進言をしていただける方

求められるスキル・経験(未経験の募集)

では、今回が初めての監査役へのチャレンジとなる方に求められているスキル・経験はどのようななものがあるのでしょうか?

必須要件に関して

公認会計士資格をお持ちの方がやはり人気です。次いで内部監査経験のイメージです。

#D社
・公認会計士及び監査実務のご経験
・内部監査の実務経験3年以上

#E社
下記いずれかのご経験
・監査法人での監査のご経験
・内部監査のご経験
・IPO準備企業や上場企業でのCFOや管理部長などのご経験
・公認会計士若しくは弁護士有資格者をお持ちの方

歓迎要件に関して

必須要件を満たしている上で、経営者と組織との相性が重要視されることが多い印象であるため、歓迎要件は比較的あっさりしています。
また、ダイバーシティを意識した上での採用を検討される企業様からは、「女性の会計士方」のニーズをいただくケースも多くあります。

#D社
・常勤監査役の経験

#E社
・IPO準備企業での監査役経験
・スタートアップでの勤務経験があり、自ら手を動かせる方
・上場企業の経営を担われてきた経験や、企業を上場させた経験をお持ちの方

常勤監査役の働き方に関して

こちらも多く問い合わせをいただきます。「常勤」と記載されているものの、常勤性とはどの程度なのか?というものです。
結論としては、各社の考え方と主幹事証券や監査法人の色が出やすいところとなっている。という回答になるため要確認ではあるのですが、傾向を以下にまとめます。

◆勤務形態:週3日以上
・勤務時間:10時〜19時(16時以降はフレックス)
・時短可否:可能
◆兼務可否:可能
◆リモートワーク可否:フルリモートも可能 (出社もあり)
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◆勤務形態:応相談
・勤務時間:9~17時頃
・時短可否:可能
◆兼務可否:可能
◆リモートワーク可否:業務に応じて出社の可能性あり リモート中心
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◆勤務形態:週4日以上
◆兼務可否:基本的に不可だが応相談
◆リモートワーク可否:業務に応じて出社の可能性あり
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◆勤務形態:週3日以上
・勤務時間:未定
・時短可否:不可(応相談)
◆兼務可否:可能(審査規程に抵触しない範囲)
◆リモートワーク可否:業務に応じて出社の可能性あり

微妙に各社異なるものの、選考過程のコミュニケーションによって変更される場合もあるため、ご自身のライフスタイルと併せてご検討いただくとよいでしょう。
当然これ以上の働き方へ変更するのも可能ですし、IPOが差し迫ってくると稼働量も当然増えてきます。

最後に

ここ数年のIPO数の増加により、常勤監査役のニーズは日に日に高まっています。そして必要不可欠な役割であるため今後も益々ニーズは高まっていくことが予想されます。
成長に向けて数多くの課題解決を経営チームと信頼関係を築きながら並走して行い、会社および社会に貢献する。この充実感は何者にも代え難い経験であることは間違いありません。
とはいえ、なんだかんだ結局は経営者との相性が大事という部分は最も大事な企業選定の要素です。弊社としては是非とのそのような定性面でのサポートができればと存じております。

カジュアルなキャリア相談でも全く問題ありませんので、ご興味のある方は是非ともお気軽にこちらまでご連絡ください!

それでは、今後更新があった際にはすぐに新たなマーケット情報をお届けして参ります。

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