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「スタートアップ×経理職」転職マーケット事情(2024/11 ver.)


昨今のスタートアップにおける経理職採用のトレンド

非常に経理職の採用熱が高い状況です。現在弊社がお預かりしている案件数(役職問わず)も200件以上があり、日々増加しています。
また年々その温度感が高まっている印象もあります。

スタートアップの経理職の採用ニーズが高まっている背景には、昨今のスタートアップ経営の難易度の向上が起因しています。
資金調達の機会増と投資家対応の重要性、事業と組織の成長による財務管理の複雑化/予算管理と財務戦略の重要性、IPOに向けての法規制/コンプライアンスの強化、コーポレートSaaS等のデジタルツールの増加に伴う効率化の必要性など、事業運営に欠かせない要素が増えているためです。

かつては創業から数年経過していても遡って数字を把握することは容易だったものが、最近では数字管理への緩さが命取りになるケースが散見されます。よってフェーズの早い段階から、コーポレートへの投資を意識する経営者の増加が求人増へ繋がっています。

経理職の年収傾向

ざっくりのレンジではありますが、役職毎に以下のような年収レンジでの提示やオファーとなります。尚、未上場スタートアップのものです。

・メンバー:400~600万円
・リーダー:500~800万円
・マネージャー:600~900万円
・GM/部長:800〜1,200万円

弊社ご紹介求人まとめ

会計士資格などの有無も影響しますし、当然会社とビジネスモデルによって違いは出てくるものの、確実に過去よりUP傾向にあります。
当然活躍次第ではありますが、上記の条件にSO(ストックオプション)が付与されるケースがあるため、大分条件とリスクは緩和されている印象です。
※尚、上場後は未上場と比較して仕事内容が多岐に渡ってくるケースが多いため、専門性が条件に寄与するケースも存在します。

求められるスキル・経験(上場準備企業のケース)

ではそれぞれに求められているスキルはどんなものがあるのでしょうか?
弊社でお預かりしている求人票を役職毎に分け、共通して求められている経験をまとめて記載します。
パキッと分かれている訳ではなく、グラデーションで役職が上がっていくイメージではあるものの、自身の位置付けや今後必要となるスキルが何なのか?を参考にしていただけると良いかと思います。
基本的にはスタンプラリー的なスキルと経験の積み上げが大事な印象です。

#メンバー~リーダー

基本的な経理業務をまずは任され、特に「決算を締めらるか?一人で可能か?」がファーストステップになっている印象です。

・経理財務実務(経費精算・仕訳起票・入出金管理等)
・財務会計(月次、四半期、年次決算)
・各種会計・税務論点の検討
・金融機関対応(銀行、証券会社)
・開示書類作成に必要な資料作成
・社内報告資料の作成

#マネージャー

外部とのコミュニケーションや難易度の高いプロジェクトのアサインをされるようになってきます(とはいえ補佐としてのスタートです)。
事業の解像度の高さとその上で何が対外的に求められているのか?といった作業的な仕事から俯瞰した考え方が必要になってきます。

・メンバーのマネジメント
・(海外)拠点を含む財務経理の日常業務、月次、四半期及び年度の決算業務
・法人税等の申告書作成、申告業務 ・監査法人の監査・レビュー対応業務 ・Ⅰの部、有価証券届出書及び各種説明資料など、上場準備に必要となる開示書類の作成業務
・主幹事証券及び取引所の審査対応業務
・事業計画及び中期経営計画の作成業務、予実の分析・検討業務
・決算説明資料の作成サポート
・決算説明会の準備
・国内外の投資家対応のサポート
・海外子会社の決算対応
・有価証券報告書や決算短信等開示書類の作成サポート
・予算策定と予算実績分析

#GM/部長

責任者として最終的な意思決定やチェック、経理面から経営とのコミュニケーションを行う役割になります。やはりここは経験値や再現性を必要とされます。マネージャー時に、上長の業務を見て学ぶ・盗むことも疑似体験として可能です。

・IPO準備の責任者
・メンバーのマネジメント、他部門の責任者との連携
・(海外)拠点を含む財務経理の日常業務、月次、四半期及び年度の決算業務
・法人税等の申告書作成、申告業務 ・監査法人の監査・レビュー対応業務 ・Ⅰの部、有価証券届出書及び各種説明資料など、上場準備に必要となる開示書類の作成業務
・主幹事証券及び取引所の審査対応業務
・事業計画及び中期経営計画の作成業務、予実の分析
・検討業務・経営管理体制の構築/高度化  
・事業計画策定/予実管理体制の整備、経営意思決定機関/プロセスの整備 等
・内部統制体制の構築
・証券会社/監査法人対応
・その他上場準備に関連する業務  
・取締役会/経営会議の運営等

数多くの内定を獲得した方のソフトスキル

また、上記経験がハードスキルだとした上で、どのようなソフトスキルがあると更なる評価に値するのかも、弊社の過去の面接フィードバック情報から一部記載します。

・快活なコミュニケーション(明るさは正義)
・IPO達成の経験(ゴールだけではなく、苦労話や失敗談も含めたもの)
・全体最適から逆引きし、自身の向き合ってきた課題と解決したケースが言語化できている方(受け身仕事ではなかった証明)
・事業解像度が高くどのようなコーポレートイシューが発生するかなどを事前に把握し、打ち手を検討できる

等々、やはり自身で仕事を生み出しチャレンジしている方は好印象を得られます。是非この点は日頃から心掛けていただくと良いかと思います!

それらのスキル・経験を身に付けるためには

上記の内容を踏まえて、転職活動だけではなく日々の業務にも生きるtipsを以下にまとめます!是非とも参考にしてみてください🙏🏻

・最初は役職重視ではなく、役割重視。実力と経験のためを意識する。
・特に経理職(をメインにする方)は、会社成長に伴い身につけてきた経験値と課題解決力で勝負。
・そのために、事業が成長しキャリアにおけるOpportunityが増えていく環境を選ぶ。(IPO達成の経験は、それを目指す未上場のスタートアップが欲する模範回答&再現性)
・何の環境でも貢献と課題解決を意識し、自身で考えアクションを重ねるスタンスを保つ。
・日々健やかに明るく過ごす。

最後に

ここ数年で経理職の必要性や条件の向上により、スタートアップへのチャレンジがし易くなった点は非常に喜ばしい点はあるものの、なんだかんだ結局は経営者との相性という部分は不変ではあります。
しっかりと背中を預け合い、一枚岩でやれる充実感は何者にも代え難い経験であることは間違いありません。弊社としては是非とのそのような定性面でのサポートができればと存じております。

カジュアルなキャリア相談でも全く問題ありませんので、ご興味のある方は是非ともお気軽にこちらまでご連絡ください!

それでは、今後更新があった際にはすぐに新たなマーケット情報をお届けして参ります。

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