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監査役版_補足:ウケの良い職務経歴書の書き方

先日、以下のnoteを記載しましたが今回は常勤監査役に携わる方向けの補足をお伝えしたいと思います。
今回は、常勤監査役に就任される方で多くいらっしゃる「監査法人出身者」の方向けにフォーカスして内容をまとめます。


監査法人での経験を記載する際に重視すべきポイント

ご自身の「経験」と「成果」を具体的に示し、「スキル」「専門性」「人間力(リーダーシップやコミュニケーション能力)」の3要素をバランス良くアピールすることです。レジュメ全体を通して、「この方に任せれば安心」と思わせる内容を目指しましょう

1.実績を具体的に記載する

単なる職務内容の羅列ではなく、自分が「どのように貢献したか」「どのような成果を上げたか」を具体的に書くことで、採用担当者にインパクトを与えられます。
例: 「東証一部上場企業3社の監査を主査として担当。進捗管理を通じてプロジェクトの納期達成率を100%維持。」

2. 規模感や対象業種を示す

「どんな業界・企業規模のクライアントに対してどのような業務を行ったか」を明記することで、自分の経験の広がりや専門性が伝わります。
例: 「大手通信系会社を含む延べ40社の監査業務に従事。」

3. 専門性を具体的にアピール

財務分析、内部統制監査(J-Sox)、IFRS導入支援など、専門知識を必要とする業務は特に注目されるポイントです。
例: 「J-Sox対応で内部統制の改善提案を実施し、経営者から高い評価を得た。」

4. コミュニケーション能力の強調

監査業務では、クライアントや関係者との調整が必須です。そのため、経営者や顧問弁護士とのディスカッション経験などを強調すると良いです。
例: 「顧問弁護士との〇〇における議論を通じて監査結果を改善し、クライアント満足度を向上。」

5. リーダーシップや付加価値をアピール

単なる作業者ではなく、プロジェクトをリードした経験や付加価値を提供した経験は、採用担当者への強いアピールポイントになります。
例: 「研修講師として新人育成に携わり、5名のメンバーが1年以内に主査へ昇格。」

6. (参考)具体的な業務内容

・監査計画の策定と管理:計画の立案、実行、進捗管理。
・財務分析:増減分析、回転期間分析などの財務指標を基にした分析。
・検証手続:各勘定科目の分析、実査、視察、質問。資産の実在性や評価、負債の網羅性に関する検証。
・重要な審査書類の作成:見積項目(引当金、減損、税効果会計など)や重要監査項目に関する資料作成。
・監査総括の実施:経営者や監査役への報告および改善案の提示。
・内部統制監査(J-Sox対応)
・ディスカッション:顧問弁護士や経営者との議論。

常勤監査役の経験を記載する際に重視すべきポイント

次は「常勤監査役経験者」の方向けの内容です。特に以下の要素を抑えておく必要があります。具体的な実数値で表し難いものもあるかと思いますので、当時のエピソードを交えて記載いただけるとより良い仕上がりになります。

1.抑えるべき内容

  • 経験の具体性:監査業務の進め方や成果を具体的に記載する。

  • リーダーシップの強調:監査役会議長やリスク委員会立ち上げなど、主体的な役割をアピール。

  • 専門性の提示:IPO準備や規程整備といった高度な業務経験を強調。

  • 広範なスキルセット:内部監査、労務管理、コンプライアンス、財務知識など多様な能力を示す。

2.(参考)具体的な業務内容

・監査役業務
常勤監査役としての業務内容を詳細に記載することで、専門性や経験の深さをアピールできます。

・監査役会の運営:毎月、議長として監査役会を開催。監査計画で定めた重点監査項目(例: 労務管理状況)の報告。監査役議事録の作成および社内情報共有。
・取締役会や重要会議への出席:会議資料や社内規程の整合性確認。過去の振り返りや今後の対策に関する意見の発言。
・内部監査および調査:取締役や各部門との面談。監査法人との情報共有(四半期に一度)。
・監査調書(監査記録記録)の作成:主な内容_取締役会出席記録 ・重要会議出席記録(会議参加メンバー、議題、意思決定方法が適正かを確認) ・稟議書、 重要契約書閲覧記録/労務管理記録の閲覧(残業時間、有給休暇取得状況)/監査調書/社⻑、取締役面談(社⻑面談は全監査役、取締役面談は常勤監査役)

・IPO準備業務
上場準備を支援した経験は、高い専門性を示す重要な要素です。

・稟議体系の見直し:稟議書のフォーマット化や添付書類へのアドバイス。
・社内規程の整備:業務分掌や職務権限を整理。
・リスク・コンプライアンス委員会の立ち上げ:不祥事事例の紹介やリスクピックアップ。
・上場申請書類の対応:書類のチェックや一部作成。
・証券会社との会議参加:MTGオブザーバーとして参加。
・取締役会報告資料の見直し

その上で、監査法人→常勤監査役へ転職する際の重視するべきポイント

監査法人から常勤監査役への転職を目指す際、レジュメで重要なポイントは以下の通りです。監査法人での経験を、常勤監査役として求められるスキルや役割に直結させてアピールすることが成功の鍵です。

1. ガバナンスやリスク管理への貢献

・監査法人での経験を基にした提案力
例: 「監査法人で培った財務分析や内部統制監査の経験を活かし、取締役会の意思決定に客観的な助言を提供可能。」
・リスク管理能力
例: 「J-SOX監査やコンプライアンス支援を通じて、内部統制の強化に寄与。」

2. コミュニケーション能力

常勤監査役は経営陣や外部関係者(弁護士、監査法人など)と頻繁に議論します。このため、以下を強調する必要があります。
・経営者や幹部との調整・議論経験監査報告や改善提案のプレゼン能力
例: 「上場企業の経営陣に対して監査報告を行い、改善提案を採用してもらった実績がある。」

3. 組織運営やプロジェクト管理の経験

常勤監査役は監査役会を運営し、部門監査や改善提案を主導します。以下をアピールすることが重要です。
・プロジェクト管理能力
例: 「複数の上場企業での監査業務を主査として統括し、スケジュールを確実に達成。」
・組織運営の経験
例: 「監査役会の議長を務め、重点監査項目に基づく効率的な会議運営を実現。」

4. IPO準備や特定業務の経験

IPO準備企業や上場企業に関わった経験があれば、それを詳細に記載することで、高い専門性をアピールできます。
例: 「IPO準備企業において稟議体系や社内規程の整備を支援し、上場申請書類作成にも貢献。」

5. 経験を監査役の役割に結びつける

監査法人での専門性を、常勤監査役としての以下の役割に直結させて表現する、上記以外の内容を記載します。
・取締役会のモニタリング
例:「取締役会の議論内容や資料の整合性を確認する能力を有する。
・内部統制とコンプライアンス強化
例:「監査法人時代の内部統制監査経験を基に、企業のコンプライアンス体制を強化可能。
・組織の健全性の維持
例:「監査業務での労務管理や財務分析の知見を活かし、リスクの早期発見に寄与。」

やはりスタートアップは課題解決

これは監査役にも求められることです。日々あらゆる課題に直面し、解決をし成長に繋げていくのがスタートアップです。そして経営者も暗黙知的にそのような経験や働き方を身につけている方を求めています。
ゆえに、その点を意識したレジュメ作成や面談・面接時のコミュニケーションをとることが、より良い機会に巡り合えるキッカケを拡げます。
是非その点を意識し、スタートアップコーポレートの良いキャリアを構築してください!

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